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このサイトの目的
製薬英語のトリセツへようこそ。管理人のシュウです。
このサイトでは医薬品業界で必要になる「製薬英語」を目的別に最短距離でマスターする方法を戦略レベルと戦術レベルで紹介しています。
各記事は私の30年弱合計数万時間に及ぶ英語学習・使用経験とバイリンガル薬剤師として医薬品業界で過ごした十数年の経験を基にしています。
英語を身につけることも医薬品業界を理解することも、一朝一夕には困難ですが本サイトを繰り返し読むことで80%程度は労力を節約することができると思います。
管理人について
少し管理人である私シュウのことについて自己紹介します。
私は製薬企業に勤務経験のあるバイリンガル薬剤師です。
これまで内資・外資の製薬企業で医薬品・医療機器に関するメディカルライティング、薬事文書翻訳、各種薬事業務に携わってきました。
英文メディカルライティング業務では、過去のAMWA Presidentを含めた著名な英語ネイティブメディカルライター数人に徹底的なライティング添削を受け、また日本人の書いた英文を添削した経験があります。
そのため、今ではネイティブスピーカーが見ても自然な英語を書き、ノンネイティブスピーカーが書いたブロークンな英語を添削することができるようになりました。
業務関連の資格は欧州一流校のMBA (Healthcare Management)及びAmerican Medical Writers Association (AMWA) Certificateを持っています。メディカルライターと薬事担当者としての医薬品業界での十数年の経験から医薬品ビジネスに関して深い理解があります。
英語に関しては、義務教育から通算すると20年以上の学習経験があり、英語の勉強が好きだったこともあり、1万時間以上の時間を費やして英語をマスターすることができました。
現在は公私ともに毎日英語を使っており、英語の学習・使用に費やした時間は少なく見積もっても数万時間を超えています。
今では、アメリカ人からも「アメリカ育ちといっても信じてしまう」「医薬品関係に関しては素人のネイティブ以上」という評価をもらっています。
私は当初の目標が英語完全マスターだったので、自分の選択、投入したリソース及び得られた結果について満足しています。
ただ、今振り返ってみると、目標が医薬品業界で必要十分の英語をマスターすることであれば、これまでの経験で得た知見と、現在の技術で可能になったツール等を利用しつつ、効率的に遥かに少ない時間・労力で攻略することが可能だと思います。
このサイトでは、原則、医薬品に関わる英語に範囲を限定し、これから医薬品業界で働こうと思っていて製薬英語を省エネで使えるレベルまで持っていきたい人たちを想定して、攻略法を共有しています。
なぜこのサイトを作ろうと思ったか?
一言でいうとそれが私のミッションのように思ったからです。
私は半年ほど前まで、製薬企業で新薬の開発薬事担当者として1日13時間働いていました。当然自分の時間や家族との時間は最小限でした。
それでも仕事は面白くエキサイティングで、お陰様で数製品の申請及び承認に携わることができ、これからさらに数製品の申請に携わろうというところでした。
ところが、ある日突然、不可抗力の出来事が起こりそれまでの業務を続けることができなくなってしまいました。
その出来事以降一旦立ち止まって自分の人生を考え直してみて、
「あと半年しか寿命がなかったら何をするか」
という質問を自分にしたところ得られた回答が
「医薬品専門英語の効率的な学習法を確立し、教材を作成することで世の中に貢献すること」
だったのです。
私は、日本で生まれ育った日本語ネイティブとして、学習を通して語学試験で測定するのが無意味なレベルの英語力を身につけました。
また、薬学、メディカルライティング・医薬翻訳、薬事なら、十分な背景知識を語ることができます。
以上を踏まえて、医薬品英語特に、医薬品開発に係る英語に関して世の中にノウハウを還元していくのがライフワークのように思うのです。
このサイトでは、私が20年以上前の英語の勉強を始める前の自分を想定し、あったら役にたったのにと思う情報を共有しています。
これから日本の製薬企業だけでなく、世界に打って出ようとしている学生の方々、英語が苦手だけども必要な研究者、薬剤師の方々、医薬品業界で英語に磨きをかけたい方々のお役に立てれば幸甚です。
管理人英語学習歴・到達レベル
私の英語学習歴・学習量と到達レベルは別エントリーでまとめました。ご興味があればどうぞ。
製薬英語の定義と必要性
「製薬英語」と聞いてどんな印象を持たれるだろうか。ここで用いた「製薬英語」は医薬品業界、すなわち製薬会社・CRO・薬局で業務を進めていくうえで、必要不可欠の英語スキルと定義した。
医薬品薬事規制の標準化及び開発の国際化が進むなかで、内資・外資製薬又はCRO等働く会社によらず英語の重要性が飛躍的に高まっている。以前は多少英語ができればそれだけで武器になったが、今は専門性があることが前提で誰もが一定程度の英語力を求められるようになっている。
私の経験では製薬企業での通常業務は大きく以下の2つに大別できる。
- 日本チーム内で各部署の代表として、各課題ごとに複数ある選択肢の中から推奨される選択肢を根拠とともに提案する。
- Globalチームに上記推奨選択肢と根拠を英語で説明する。
現在は、誰もが一定程度の英語力が求められるようになったというのは、上の2の部分を言っている。
このサイトを読んでいる人は少なくとも製薬英語というフレーズに興味を感じた方だと思うが、「製薬英語のトリセツ」では製薬英語を省エネかつ最短距離でマスターするための勉強法を業界知識と一緒に共有していく。
英語の勉強を始める前の若かったころの自分を想定して、こんな情報があったらいいのにと思った事項を追加していくつもりだ。
製薬業界を目指している薬学・生命科学系の学生、外資系製薬企業へ転職を考えている人、あるいは既に製薬業界で働いていて英語力のブラッシュアップを考えている方々にとって非常に有益な情報になると思う。
「製薬英語のトリセツ」が提唱する省エネ製薬英語勉強法のメリット
- 学生の方は入社前に必要な製薬英語を省エネで身に着けて周りの学生に就活で差をつけることができる。
- 内資企業勤務で十分な専門性を持っているが、英語力に不安がある方は、必要十分な製薬英語を身に着けることで、外資も選択肢に入り年収アップが狙える。
- 既に製薬業界で働いていて十分な英語力を持っている方も新しい考え方、業界知識に触れることで英語力・業務能力をアップさせることができ、キャリアアップに繋がる。
省エネ製薬英語勉強法の概要及びこれまでの勉強法との違い
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目標設定を明確にする
省エネ製薬英語学習法では、まず到達したい英語レベルを設定し、それに応じてどのような教材をどの程度活用するか判断する。このため、無駄な努力をすることなく、最短距離で目的に到達することができる。
従来の学習法では、フレーズ集、読解・リスニング教材や発音教材、またそれらをどのように活用して学習するかという意味の英語学習法があったが、時間をかけて勉強すれば上達するというような目的意識に欠けたものが多く、何のために(どのレベルに到達するために)どのような手段を用いるかという視点がなかった。このため、英語が好きな人には、趣味として楽しめたことが、英語が嫌いな人には苦痛でしかなかった。 -
設定目標に応じて引き算の発想で学習内容を設定
省エネ製薬英語学習法では、上で設定した目標にしたがって、必要最低限のことをマスターする。したがって、目標が仮に仕事で最低限英語で困らないということであれば、文法の正確性等、無くてもコミュニケーションの結果に影響を与えない部分については積極的に捨てていく。
従来の学習法では、常に正しい英語が推奨され、目的によってはどこで手を抜くかということが不明瞭であり、完璧主義による時間浪費の要因となっていた。 -
マインドセット、発信英語、受信英語の3つの切り口から攻略
省エネ製薬英語学習法では、製薬英語を省エネでマスターするうえで必要な心構えである「マインドセット」、攻略法の異なる自分から意見を伝える「発信英語」と相手の意見を聞く「受信英語」に分けて、より具体的な学習法・教材を紹介していく。
従来の学習法では、少しでも上達することが暗黙の了解の方法論や読解にもリスニングにもスピーキングにも効くシャドウイングなど、目的意識に欠ける画一的な手段が採用されていた。 -
情報源、業界知識等の共有
省エネ製薬英語学習法では、英語の学習法・教材だけでなく、業界人が使っている情報源や業界知識、専門知識も含めた業務に役立つ知識などを共有していく。
従来の学習法では、英語は英語、業務知識は業務知識という形で切り離され、業界知識に疎い英語の達人が提唱したコンセプトが主流になっていたため、学習者は英語と業務知識を別々に学習する必要があった。