1回1文!目と耳から服用するくすりの英語#31
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https://www.mag2.com/m/0001684701.html#detailbox
■例文:
Researchers have printed the world's first three-dimensional human heart with its ventricles and atria by using bioinks developed from a patient’s own cells.
参考
https://edition.cnn.com/2019/04/15/health/3d-printed-heart-study/index.html
(リンク先へのアクセスは自己責任でお願いします)
■音声:
■語彙:
researcher(s):研究者
human heart:ヒトの心臓
bioink(s):バイオインク
■重要表現・解説:
the world's first:世界で初めての。より簡単に「first ○○ in the world」と表現しても良い
three-dimensional:三次元の。「3D」と省略されることも多い
with its ventricle(s) and atrium(a):心室と心房を伴った。「ventricle」が心室、「atrium」が心房。左右2つずつあるので「ventricles and atria」
by using [名詞]:○○を用いて。論文等で用いる堅い表現。「using ○○」としても良い
developed from [名詞]:○○から精製した。developはいろいろ意味があるが、ここではあるものをより洗練されたものにするという意味で、精製とするのがしっくりくる。
a patient's own cells:患者の自分の細胞
■訳:
研究者は患者自身の細胞から精製したバイオインクを用いて、心室や心房を伴った世界最初のヒト心臓を3Dプリントした。
■省エネフレーズ:
Researcher printed world first 3D human heart with internal structure using bioink developed from patient cell.
このフレーズを実際に自分で活用する際は、冠詞、完了形、3単現のs及び複数形を省略したり、前置詞のミスは無視しても十分通じる。
今回は、冠詞、完了形、3単現のsを削除し、複数形を単数形とした。
また、「the world's first three-dimensional」を「world first 3D」、「with its ventricles and atria by」を「with internal structure」と簡素化した。
省エネフレーズに関しての詳細は、製薬英語マスターの労力を8割減らすための3つのポイント(保存版)を参照されたい。
■編集後記
今回は、少し趣を変えて臓器の3Dプリンティングを採り上げました。
個人向けの製品が売られるようになって3Dプリンターという用語も良く聞くようになりました。
元々は工業製品を製品化する前の試作品を作る際に用いられてきた技術ですが、医療用途にも応用が進んでいます。
現在実用化されて使われているのは歯科インプラントや補聴器の分野ですが、臓器自体を3Dプリントしてしまおうという研究は世界の各地で行われています。
今回の例文は、イスラエルの研究者が世界初のヒト心臓を3Dプリンターで作成したというニュースの内容です。患者の脂肪細胞からiPS細胞を精製してバイオインクを作り、そのインクを用いて3Dプリンターで造形するので、患者に移植しても免疫反応が起こらないのではないかというところが注目されています。
今回ウサギの心臓の大きさくらいですが、ヒトの心臓が心室や心房などの構造や血管も含めて再現できたということです。
今後は動物に移植してしっかり心臓として機能するかまず研究するようです。
まだまだ、ヒトに移植できるようになるまでには時間が掛かりそうですが、見かけだけでもヒトの心臓の構造を再現できたというのは大きな一歩といえます。
ヒトに応用できるようになれば、現在失われた機能を回復するために臓器移植しか選択肢がなく順番待ちをしている人とって朗報となります。
また、生体で移植して機能しなかったとしても、精巧に心臓の構造の再現ができれば、外科医のトレーニング用としても有用でしょう。