1回1文!目と耳から服用するくすりの英語#37
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https://www.mag2.com/m/0001684701.html#detailbox
■例文:
Analgesics or painkillers can mainly be categorized into opioids, non-opioids, and others: opioids mainly for cancer pain, non-opioids for general pain, and others for supplemental use.
■音声:
通常版
電話版
■語彙:
analgesics(s):鎮痛薬
painkiller(s):痛み止め
opioid(s):opioid analgesic(s)のこと。オピオイド鎮痛薬。中枢神経系のオピオイド受容体に作用して鎮痛作用を発現する。依存性が強い麻薬性と依存性が弱い非麻薬性に分けられる。
non-opioid(s):non-opioid analgesic(s)のこと。アスピリン等のnon-steroidal anti-inflammatory drug(s)=NSAIDsやアセトアミノフェン等が含まれる。
■重要表現・解説:
[名詞] can be categorized into[名詞]: ○○は××に分類できる。for supplemental use:補助的な用途
■訳:
鎮痛薬、痛み止めは主にオピオイド、非オピオイド、その他に分類でき、オピオイドは主にがん疼痛、非オピオイドは一般的疼痛、その他は補助的用途に用いられる。
■省エネフレーズ:
Painkiller can be categorized into opioid, non-opioid, and other: opioids for cancer pain, non-opioid for general pain, and other for supplemental use.
このフレーズを実際に自分で活用する際は、冠詞、完了形、3単現のs及び複数形を省略したり、前置詞のミスは無視しても十分通じる。
今回は、複数形を単数形とし、analgesics及びmainlyを省略した。
省エネフレーズに関しての詳細は、製薬英語マスターの労力を8割減らすための3つのポイント(保存版)を参照されたい。
■編集後記
こんにちはシュウです。
今回のテーマは鎮痛剤、いわゆる痛み止めです。
医薬品は基本的には病気や怪我の治療に使われるのですが、実際には①劇的に効果があり病気を治す薬、②それほど劇的には効かないけれども病気の進行を止める薬、③病気になることを予防する薬及び④痛みなど症状のみを緩和する薬があります。鎮痛剤は最後のカテゴリーに当てはまる薬で、主な目的は病気や怪我を直接治すのではなく痛みを和らげることです。鎮痛剤はいくつかの種類があり、それぞれ効くメカニズム(作用機序と言います)や痛み緩和の強さや副作用が違っており、鎮痛の目的に応じて使い分けることになります。特にがんの痛みはとても強いので最強の鎮痛作用があるオピオイド系の医薬品が使われます。
今回紹介した例文では鎮痛剤がオピオイド、非オピオイド、その他の3つのカテゴリーに分けられると書きました。まずオピオイド鎮痛薬ですが、中枢神経系のオピオイド受容体という受容体に結合して効果を発揮します。多くの医薬品は身体の中にある受容体という部分に結合することで身体の特定の部分や特定の神経や働きなどに影響を及ぼします。オピオイド鎮痛薬には麻薬性のモルヒネ、コデインや非麻薬性のトラマドール、ペンタゾシン等があります。
非オピオイド性鎮痛薬はより一般に使われている医薬品でアスピリン、イブプロフェンやアセトアミノフェンがあります。アスピリンやイブプロフェンは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれ広く薬局等で売られている医薬品に含まれています。NSAIDsは炎症が起こる部分で痛みを強めるために作られるプロスタグランジンの生成をブロックします。
その他の鎮痛剤には抗うつ薬、抗けいれん薬、プレガバリン等があり、神経障害に伴う痛みに用いられています。
鎮痛剤はカテゴリーに応じて使われ方も違ってきます。まず、オピオイド鎮痛剤は基本的にはすべて病院で厳重な管理のもと用いられます。まず、依存性のある麻薬性が大半のため取扱いには免許が必要であり、処方や廃棄の際にも追加の手順が必要になります。また、副作用として便秘、悪心・嘔吐、眠気があり、がんの痛みには積極的に使用されますがそれ以外の手術の後の痛み等には非常に慎重に投与されます。
一方非オピオイド鎮痛薬は一般の薬局等で売られている経口薬や湿布薬に含まれていて、比較的簡単に入手・服用ができます。頭が痛かったり、関節が痛かったりするときに家の常備薬として飲んでいる人も多いのではないでしょうか。NSAIDsの副作用には消化性潰瘍があるので、服用するときには空腹時を避けることが大切になります。
その他の鎮痛薬はオピオイドや非オピオイド鎮痛薬のあまり効かない神経障害等に用いられます。プレガバリンの副作用としてはめまいと眠気等が出ます。
鎮痛剤は病気や怪我を直接治す医薬品でないことは既に述べました。そして痛みは病気や怪我があることを示す非常に重要な身体からの情報でもあります。このため、やみくもに痛みだけ止めてしまうことは臭いものに蓋をするだけであり、死に近づいていくことになります。そうとは言っても、強い痛みや慢性的な重苦しい痛みがあると何もする気が起こらないこともあり、鎮痛薬は人のQOLを考える上で大変大切な医薬品です。
なお、今回の録音音声は電話版もつけました。英語学習者の中には直接ネイティブと話すのは大丈夫だけど電話になると突然分からなくなるという人もいると思います。少しずつ電話音声に慣れるためにご活用ください。