誤解があることを前提に説明する

製薬業界で仕事するためにはチームで仕事することが前提です。

 

医薬品や医療機器を世に出すためには様々な専門知識や技術が必要になります。

これらの知識や技術は膨大であるため、1人ですべてをまかなうことは現実的ではありません。

そこで複数の違う領域専門知識、技術、経験を持った人が集まってチームで仕事をする必要が出てくるわけです。

 

異なる領域の知識があるということは、つまり同じことを見たり聞いたりしても、違ったことを考える可能性が高いということです。

チームで仕事すると他のメンバーとは今までに身に着けてきた知識や経験=色眼鏡が違うために、自分の考えを話しても思うように理解してもらえずにフラストレーションが溜まることが多いかもしれません。

 

逆に何でも理解してもらえて、居心地が良かったり仕事がしやすかったりしたら、相手のメンバーが自分の領域の知識や経験を広く持っていて自分に合わせてくれているだけなのかもしれません。

自分の部署の上司や先輩は往々にして自分よりも知識や経験が上で、また他の領域にも通じていることが多いため、話しやすいと感じる例が多いと思います。

 

相手のメンバーが他の領域を担当していて、あまりにも自分と話が合う場合は逆に注意が必要かもしれません。

居心地は良いかもしれませんが、ものの見方や知識や経験が似ているので、チームにはいろんな観点からインプットができないかもしれません。

チームで仕事するときにはコミュニケーションができるという前提で多様性が重要になります。

同じようなモノの見方やインプットしかできないメンバーばかりが集まると、居心地や雰囲気が良くて争いも少ないかもしれませんが、シナリオやリスクの見落しが生じやすいので危険です。

逆に多様なメンバーが集まると、共通点が少ないため最初は居心地や雰囲気も悪く、争いも多いかもしれませんが、いろいろな観点から評価や吟味ができるので、成果物の質は高くなります。

 

ここまで、製薬業界で業務をする上でのチームの必要性や、チームメンバーとのコミュニケーションの課題について話してきました。重要な前提としてお伝えしたいことは、「チームメンバーと話すときは誤解が必ず発生するものという認識を持ち、意識して明確に自分の考えを説明することが大切」ということです。

 

このことは日本人同士でも専門とする領域が違えば当然起こりますし、同じ領域でも経験や熟練度などの違いでも起こります。

同じ言語の日本人同士でも注意する必要があるので、当然言葉の違う外国人と話をするときは、より慎重に説明する必要があるのは言うまでもありません。

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