1回1文!目と耳から服用するくすりの英語#9(スペシャリティ医薬品)

11文!目と耳から服用するくすりの英語#9

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https://www.mag2.com/m/0001684701.html#detailbox

■例文:

In total, the 2017 per-member per-year specialty spend was $450: anti-inflammatory ($160), oncology ($70), multiple sclerosis ($60), HIV ($45), hepatitis C ($20), and other ($95).

 

■音声:

通常版

電話版

■語彙:

specialty:スペシャリティ。通常医学の専門を指すがここではspecialty pharmaceuticalsの意味で用いられている。

specialtyは近年traditional pharmaceuticalsと対で用いられる用語であり、通常バイオ医薬品、高分子医薬品又は抗体製剤のことを指す。

なお、traditionalは従来の低分子医薬品のことを意味する。通常traditional medicineというと漢方などの伝統医学を指すので、文脈により注意が必要な用語である。

anti-inflammatory:抗炎症の。ここでは抗炎症薬を指す。

oncology:腫瘍学。オンコロジー。ここでは抗がん剤を指す。

multiple sclerosis:多発性硬化症。神経細胞が破壊され脳と脊髄に障害が起こる難治性疾患。ここではその治療薬を指す。

HIV:human immunodeficiency virus(ヒト免疫不全ウイルス)。このウイルスに感染し発病するとAIDS(acquired immunodeficiency syndrome:後天性免疫不全症候群)を引き起こす。ここではその治療薬。

hepatitis C:C型肝炎。C型肝炎ウイルスに感染することで発病する。ここではその治療薬。

 

■重要表現・解説:

in total:合計で

per-member:1人あたり

per-year:1年あたり

spend:支出。spendingのinformalな形

■訳:

2017年の1人あたりの年間スペシャリティ医薬品に関する支出は450ドルであった。内訳は、抗炎症薬(160ドル)、抗ガン剤(70ドル)、多発性硬化症薬(60ドル)、HIV(45ドル)、C型肝炎(20ドル)、その他(95ドル)。

■省エネフレーズ:

2017 per-member per-year specialty spend was $450: anti-inflammatory ($160), oncology ($70), multiple sclerosis ($60), HIV ($45), hepatitis C ($20), and other ($95).

このフレーズを実際に自分で活用する際は、冠詞、完了形、3単現のs及び複数形を省略したり、前置詞のミスは無視しても十分通じる。今回は、冠詞を削除し、意味が変わらないのでin totalを削除した。

 

省エネフレーズに関しての詳細は、製薬英語マスターの労力を8割減らすための3つのポイント(保存版)(http://pharma-english.com/archives/64)を参照されたい。

■編集後記

今回の記事は近年の傾向であるバイオ医薬品の台頭と医療費に占める比率の増加についてです。

取り上げた1文の中では触れられていませんが、近年米国ではバイオ医薬品と従来の医薬品の売り上げの比率は半々くらいになってきているようです。

国民皆保険制度を持つ日本でも医療費の増大が問題になってきていますが、近年上市されるバイオ医薬品が高額であることと無縁ではありません。

バイオ医薬品はその名のとおりバイオテクノロジーを結集して作られており、製造や品質を保つのにも化学合成が可能な従来の医薬品と異なった管理が必要となります。そのため、往々にして高額となってしまいます。

また、スペシャリティ医薬品の内訳で多発性硬化症が登場していましたが、近年の新薬開発のトレンドは慢性疾患、がん及び難病にフォーカスが当たっています。

 

電話英語音声も追加しています。

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