11文!目と耳から服用するくすりの英語#19

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https://www.mag2.com/m/0001684701.html#detailbox

■例文:

Cryolipolysis or CoolSculpting utilizes cold temperature to reduce fat under the skin: while the fat cells are damaged the skin is unscathed.

 

■音声:

■語彙:

cryolipolysis:低温脂肪分解。低温を意味する「cryo」と脂肪分解の「lipolysis」からなる用語。

 CoolSculpting;クールスカルプティング

 cold temperature:低温

 fat:脂肪

 skin:皮膚

 cell(s):細胞

■重要表現・解説:

or:通常「or」は「又は」を意味するが、ここでは特に言い換えの意味で用いられている。

utilizes:利用する

reduce:減らす

under [名詞]:○○の下

while [主語][動詞], [主語][動詞]:○○である間に××となる

damage:損傷する

unscathed:無傷の

■訳:

低温脂肪分解、いわゆるコールドスカルプティングは低温を利用して皮下脂肪を減らす。脂肪細胞が損傷しても皮膚は無傷のままである。

■省エネフレーズ:

CoolSculpting use cold temperature to reduce fat under skin: while fat cell is damaged skin is not affected.

このフレーズを実際に自分で活用する際は、冠詞、完了形、3単現のs及び複数形を省略したり、前置詞のミスは無視しても十分通じる。

今回は、冠詞、3単現のsを削除し、複数形を単数形とした。また、意味があまり変わらないので、「cryolipolysis」を削除し、「utilize」を「use」、「unscathed」を「not affected」と簡素化した。

省エネフレーズに関しての詳細は、製薬英語マスターの労力を8割減らすための3つのポイント(保存版)(http://pharma-english.com/archives/64)を参照されたい。

■編集後記

今回は医療機器のクールスカルプティングを採り上げました。

この製品は、部分的に皮下脂肪を冷却することで減少させる「使用目的又は効果」を持つ、自由診療の美容外科で用いられる医療機器です。

脂肪が皮膚よりも低温で障害を受けやすいことを利用した、手術をしない比較的安全なダイエット方法は世界的にも人気があるようです。

日本でも201712月に厚生労働省の承認を取得しています。

今でこそ、検索すると美容関係の情報しか出てきませんが、元々この機器は手術後の痛みを軽減する機器を転用したもののようです。機器自体は同じものということですが、発想を変えることでヒット製品が誕生したみたいですね。

狙ってやったかどうかはわかりませんが、任天堂のような枯れた技術の水平利用が大事ということでしょうか。

なお、この機器の日本での承認審査情報は他の医薬品や医療機器同様、一般公開されています。

審査のポイントとなったのは

1.評価のバイアスの排除、2.安全性、3.海外データの外挿性

です。

今回は医療機器ですが、医薬品でも同様のポイントが重要であることが往々にしてあります。

1の評価バイアスの排除は、如何にして先入観を排除して評価するかということです。医薬品の場合は、通常「被験者も評価する医師も両方とも試験されている医薬品と効果のないプラセボが区別できない」、いわゆる二重盲検という方法で行われます。この製品の場合は、被験者の盲検化が難しかったためか、同一被験者の治療前後の変化を評価しています。ただ、評価者は盲検下で写真をみて治療の前後を当てるという評価を行っています。

2の安全性も重要なところです。医薬品でも医療機器でも使用するメリットがデメリットを上回らないと承認されません。

今回はダイエットが目的ですから、安全性の担保は非常に重要です。この製品では紅斑やしびれという軽度の有害事象は見られるものの、重篤で非可逆の有害事象は見られなかったということで、安全性に問題ないと判断されています。

逆に脂肪が増えてしまう逆説的過形成という有害事象は発現率が非常に低いということで、問題ないとされています。

3の海外データの外挿性は、外国人の試験でどれくらい代用できるかということです。

医薬品でも「日本人と外国人の試験結果の類似性を比較することで、少ない日本人のデータで承認を取得する」ブリッジングという概念があります。

この製品では、日本では臨床試験を実施しておらず、海外試験のみでした。

ただ、アジア人の被験者がそれなりに入っていること、日本の気候上、冷却に対して皮膚が想定外の反応をする可能性が低いこと及び欧米人とアジア人の皮膚の厚みの民族差がないことから外挿可能と判断されています。

興味がある方は、医薬品に比較すると審査関連文書が短いので読んでみると理解が深まると思います。

 (医療機器の規制はクラスによって異なりますが、承認申請の対象となる機器については医薬品とよく似ています。詳しくはバイリンガル製薬業界概説参照)

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