1回1文!目と耳から服用するくすりの英語#13
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https://www.mag2.com/m/0001684701.html#detailbox
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■例文:
“Today, the U.S. Food and Drug Administration permitted marketing of the Miris Human Milk Analyzer, a new diagnostic test to aid healthcare professionals in measuring nutrients in breast milk, including the concentration of fat, carbohydrate, protein, total solids and energy." (December 21, 2018)
例文引用元:https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm629089.htm
会社製品情報ページ:https://www.mirissolutions.com/solution
日本語製品情報ページ:http://arb-ls.com/products/human_milk_analyzer/
(リンク先へのアクセスは自己責任でお願いします)
■音声:
通常版
音声プレーヤー電話版
音声プレーヤー■語彙:
U.S. Food and Drug Administration:米国食品医薬品局。医薬品や医療機器等を規制する米国の規制当局
規制当局の役割など詳しくは、「バイリンガル製薬業界概説」http://pharma-english.com/archives/category/providing_english_information/bilingual_pharma_industry_topicsを参照
diagnostic test(s):検査法。診断薬と訳されることも多いが、今回は明らかに機器であり試薬等ではないため、検査法としている。
healthcare professional(s):医療従事者
breast milk:母乳
concentration of [名詞]:○○の濃度
fat(s):脂肪
carbohydrate(s):炭水化物
protein(s):タンパク質
total solids:全固形物。水分を除いた成分。脂肪とそれ以外に分けられる。
energy:熱量。いわゆるカロリー。
■重要表現・解説:
today:本日(付け)
permit:許可する
marketing:上市する。通常「marketing」は「マーケティング」と訳されるがここでは、製品を市場に乗せて流通させる「製造販売」という意味で「上市」としている。
詳しくは、「バイリンガル製薬業界概説」http://pharma-english.com/archives/category/providing_english_information/bilingual_pharma_industry_topicsを参照
aid [人] in [名詞]:○○が××するのを助ける。helpよりフォーマルな言い回し
including [名詞]:例を列挙する際に便利な表現
■訳:
米国食品医薬品局は、本日付けで医療従事者が母乳に含まれる脂肪、炭水化物、タンパク質、全固形物の濃度及び熱量などを測定する助けとなる新しい検査法であるMiris Human Milk Analyzerの上市を許可した。
■省エネフレーズ:
FDA approved Miris Human Milk Analyzer, new diagnostic test to help healthcare professional measure nutrient in breast milk, including fat, carbohydrate, protein, total solids and energy.
このフレーズを実際に自分で活用する際は、冠詞、完了形、3単現のs及び複数形を省略したり、前置詞のミスは無視しても十分通じる。
今回は、冠詞を削除し、複数形を単数形とした。
また、「the U.S. Food and Drug Administration 」はシンプルに「FDA」とした。「permitted marketing」は少し意味は異なるがより一般的な「approved」としている。
なお、「aid healthcare professionals in measuring」はシンプルに「help healthcare professional measure」とし、さらに「Today」、「concentration of」は意味が変わらないので削除した。
省エネフレーズに関しての詳細は、製薬英語マスターの労力を8割減らすための3つのポイント(保存版)(http://pharma-english.com/archives/64)を参照されたい。
■編集後記
今回は少し趣を変えて、ニュースから母乳成分分析機器を取り上げました。
この製品「分析機器」という名前の通り「医薬品」ではなく、「医療機器」です。
早産児は消化器が未発達であることもあり、母乳の栄養のばらつきがその成長に重大な影響を与える可能性があるのですが、この装置を使えばスピーディに母乳中に必要な栄養素が含まれているか測定できるというのが背景になります。
医療機器は医薬品と同様に日本では薬機法で定義されており、平たく言えば「病気の診断、予防、治療に用いられ、身体の構造・機能に与えるモノのうち医薬品でないもの」になります。米国ではFederal Food, Drugs, and Cosmetics Actで日本と同様に規定されており、医薬品は主に化学的作用、医療機器は物理的作用で主な効果を発現するという違いがあります。
今回面白い点は出典のFDAのウェブサイトに記載があるように、FDAがこの機器に関して審査をして、製品の上市を許可している一方で、日本ではPMDAへの届出のみで販売されていると考えられる点です。
この機器の製造元のMiris ABはスウェーデンの会社ですが、ヨーロッパでも既にCEマークを取得して製品が販売されていて、米国でだけ時間が掛かっていたように見えます。
医薬品でもそうですが、日米欧の規制当局で考え方が違っていて、他の国で承認されていてもある国では承認されるまでに時間が掛かる事があります。
この製品は医療機器ですが、米国と日本では生体に与えるリスクの分類が異なるようです。米国ではクラスIIであり、通常「510k」という「premarket notification(市販前届出)」が必要なところですが、前例がないタイプの製品なので、「de novo」という特殊な申請となったようです。一方日本では、一般医療機器(クラスI)として届出されています。
電話英語音声も追加しています。