背景
製薬企業の業務は、専門部署に所属してその部署の専門的な知識や経験から導き出せる提案をチームにインプットするのがメインになります。この点は通常の企業の業務と変わらないのではないかと思います。そしてその提案には常にチームやマネジメントを納得させるだけのロジックが必要になります。
しかし、人を動かすものは常にロジックだけではありません。我々は感情を持った人間であり、ロジックが完璧でも、意識的であれ無意識的であれ感情的に受け入れられないということがあります。正しいから受け入れるではなく、正しいからこそ受け入れたくないという感情になることがあります。そこにあるのは、意見の対立ではなく感情の対立です。こういう場合には人間同士のお互いの歩み寄りが必要になることがあります。
今回紹介するフレーズは相手に共感したり相手との距離を縮めるために役立つフレーズです。人は自分と共通点のある人に親近感を抱く傾向にあります。想像してみてください。同じ部署で働いている同年代の気心の知れた人と、違う部署で働いていて20歳くらい歳も違いあまり良く知らない人。この2人が同じことを非常にロジカルに提案してくるとします。あなたならどちらの意見を聞きますか?おそらく答えは明らかだと思います。
一方で、この後者のとっつきにくい人とも腹を割って話すことで、急に仲良くなれる瞬間がくるかもしれません。それはお互いの経験や感情に共感できたときです。人生は生きている限り、時に悪い冗談かと思える課題が続きます。
信念を持って努力しても仕事で左遷されたりリストラされるかもしれません。信じていた友人に裏切られたり、絶縁状態になることもあります。恋人や配偶者と上手くいかなかったり、そもそも相手すら見つからないかもしれません。家族が問題を起こしたり、病気になったり、突然亡くなったりすることもあるでしょう。家の中のものが立て続けに壊れたり、台風が来て家が水浸しということもあるかと思います。さらに、あと少しでプロジェクトが成功というところで、急にキーとなる部署のトップが変わりプロジェクトが頓挫することもあるでしょう。
重要なことは周りの人も程度の大小はあれども同じように課題をこなしながら人生を生きていることです。
生きるって理不尽な中で正しいことをし続けることですから。
腹を割って話すことで自分からも相手からも、「それ分かるよ」という感情が出るかもしれません。
今回のフレーズはまさにそんなときにピッタリの一言です。
この言葉を交わした後は、あなたの相手への対応とともに、相手のあなたへの対応も変わっているはず。
フレーズ
I feel your pain. I see your pain. I understand your pain.
訳:お気持ちお察しします。
解説:共感の程度からするとunderstand > feel > seeである。feelが一番無難な言い回し。
I can relate (to your situation).
訳:共感できます。
解説:ネガティブなことだけでなく、ポジティブなことにも使える。
音声
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