11文!目と耳から服用するくすりの英語#21

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https://www.mag2.com/m/0001684701.html#detailbox

■例文:

Carrying both MUTYH variants or having two copies of one of these variants increases the risk of developing colorectal cancer.

 

■音声:

■語彙:

MUTYH variant(s):MUTYHバリアント。Variant(s)は遺伝子の多様性を意味する用語。ここではMUTYU関連ポリポーシスという遺伝性大腸がん発症に関連性のある遺伝子変異を意味

risk:リスク。ここでは病気になる可能性という意味

colorectal cancer:大腸がん。辞書では「結腸直腸がん」という訳語があるが日本の医療関係者の間ではあまり使われていない。

■重要表現・解説:

carry:持つ

both:両方

have:持つ。carryと同じ意味であるが、この文ではあえて繰り返さずに似た用語で言い換えている。

two copies of one of these variants:これら2つのバリアントのうち一方のコピー2つ

increase:増加する

develop:発症する

■訳:

MUTYHバリアントを両方持つことや、2つのバリアントのうちの1つを2コピー持つことで、大腸がんになるリスクが増加する。

■省エネフレーズ:

Having both MUTYH variants or having two of each variant increase colorectal cancer risk.

このフレーズを実際に自分で活用する際は、冠詞、完了形、3単現のs及び複数形を省略したり、前置詞のミスは無視しても十分通じる。

今回は、冠詞、3単現のsを削除した。また「carry」を「having」、「two copies of one of these variants」を「two of each variant」、「the risk of developing colorectal cancer」を「colorectal cancer risk」と簡素化した。

省エネフレーズに関しての詳細は、製薬英語マスターの労力を8割減らすための3つのポイント(保存版)(http://pharma-english.com/archives/64)を参照されたい。

■編集後記

今回は遺伝子検査の23andMeを採り上げました。

この消費者向け遺伝子検査キットですが、この1月にMUTYH関連ポリポーシスという遺伝性大腸がんに関するリスクを判定する医療機器としてFDAから承認されています。

23andMeに関しては米国発の遺伝子検査のスタートアップとして2007年に設立されてから各種メディアで取り上げられているので、知っている人も多いでしょう。
最近ではGlaxoSmithKlineと新薬開発で提携するというニュースもありました。

このスタートアップ、設立以来自分のルーツや特定の疾患のリスクが分かる情報をサービスとして提供していたのですが、2013年にFDAから医療機器の規制要件を満たしていないことによりサービス提供中止の勧告を受けます。

そこから規制要件を満たせるように努力しFDAとの対話も続けてきた結果、2015年にはパーキンソン病や遅発性アルツハイマー病を含む10の疾患に関するリスクを判定する医療機器として承認されています。

2018年には判定の対象がBRCA1、BRCA2という卵巣がん、乳がん、前立腺がんに関係ある遺伝子に拡大。
そして今回のMUTYH遺伝子への拡大と着実に前進している印象です。

FDAが23andMeに規制違反を通告した文書によると、この種の医療機器はリスク分類上一番上のクラスIIIであると記載があります。
一方最新の承認情報を見るとクラスが下がりIIとなっています。
恐らく、当初はサービスが革新的過ぎて何等かの規制をせざるを得ないということ及び対話不足でFDAはサービス提供中止の勧告をしたのだと思います。また、会社と規制当局が対話をしていくうちにリスク区分の見直しもあったのでしょう。

ところでこの医療機器、日本国内では承認もされていませんし、正規代理店もないようです。
23andMeは主に欧米で使用されており、アジア人のデータが白人ほど蓄積されていないことを考えると、遺伝子検査に興味がある人は国内の類似サービスを利用するのが現実的でしょう(あくまで自己責任で)。

なお、23andMeのリスク情報はあくまで参考程度であり、その情報を基に治療の方針を決めたりすることはFDA承認の範囲外です。

遺伝子テストを双子が受けて全然違う結果が返ってきたという情報もあり、個人的には余計な精神的ストレスになり得るリスク情報は知りたくないですね。

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